「心身問題」あるいは「心の哲学」に関して論文、レポートを書いてみよう、という目的に対するお勉強として、前回は金杉武司さんの『心の哲学入門』を読んでみました。
で、次はスティーブン・プリーストの書いた『心と身体の哲学』(訳 河野哲也 安藤道夫 木原弘行 真船えり 室田憲司、勁草書房)を読んでいきたいと思います。
この本は、金杉さんの本でも、『現代現象学』(植村玄輝・八重樫徹・吉川孝編著 富山豊・森功次著、新曜社)の心身問題の章でも、参考文献として挙げられている、定評のある本のようです。
そして私の家にもずっと積読状態であったものです(笑)。
スティーブン・プリーストはオックスフォード生まれのイギリス人で、編著として『ヘーゲルのカント批判』、単著としては『イギリス経験論者-ホッブズからエイヤーへ』『メルロ=ポンティ』がある、という人のようです。本のタイトルを見るだけでも、イギリスの哲学者でありながらドイツ観念論や現象学にも理解のあるバランスの取れた哲学者であるらしいことがわかりますね。
実際、この本も、「心身問題」に関わる主要な立場を、いわゆる現代英米系の心の哲学の系譜に属するものだけでなく、例えばプラトンなども含めた、哲学史の全幅にわたって紹介してくれる、という私のような初心者にはうってつけのものであるようです。
目次を見ると、以下のような立場が取り上げられる、ということがわかります。
1 心身二元論
2 論理的行動主義
3 観念論
4 唯物論
5 機能主義
6 二面説
7 現象学的見方
というような立場がこの本で開設されています。
著者自身の立場も最終章で明らかにされています。確かにこの一冊だけでもだいぶ勉強になりそうです。
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